華道家 新保逍滄

2017年11月25日

2017年11月20日

一日一華:レセプションに


商業花は、とても勉強になります。
時間、予算、場など様ざまな制約の中で
お客様に喜んでいただける作品、満足していただける作品を
作り出さなければいけない。

生の花であるというだけで喜んでいただけるという
ありがたさは確かにありますが。

今日は終日商業花に従事。
帰ってニュージランド産のアサリでボンゴレを作り、
ハイネケンで乾杯。

そのあと気楽なテレビとか映画で過ごせるならば
そんな生活はとてもいいものだと思います。
私にはそんな日は年に数えるほどしかありません。

華道家としてだけ生きていけるなら、それもいいだろうな、と思います。
しかし、この国、オーストラリアでは少し難しいでしょう。
第一に十分な需要がありません。

そして、また、さらなる目標が見えてしまうと、
華道家として、とどまることもできません。

2017年11月12日

RMIT Short Courses: Ikebana to Contemporary Art

In week 1 & 2 our students learn how to make a basic style Ikebana and its 7 design principles. In week 3 they produce a geometrical drawing using at least one of the principles. The students are encouraged to create several design and art projects applying Japanese aesthetics.  

14 February 2018: A new term of Japanese Aesthetics starts at RMIT. http://bit.ly/1IFmuyl



www.shoso.com.au

2017年11月6日

一日一華:レストランに


かつては一人で山歩き、自転車旅をよくしたものです。
知床半島、三浦半島、佐渡島、伊豆半島、紀伊半島などなど。
メルボルン近辺もあちこち廻っています。

それがばったりなくなってしまいました。
そのせいか、と思うことがあります。

飛行機が苦手になってきました。
閉所恐怖症か、パニックアタックか。
あの苦しさは、なんとも耐え難いもので、
飛行機から外に逃げ出したい、狂ったような衝動が抑え難い。
周囲から空気がなくなっていくように感じ、呼吸困難。

最近は、少し混んだ電車に乗っても
足の裏が熱くなってきて、気分が悪くなってきます。
似た症状です。

対策は禅の呼吸で精神を落ち着かせること。
私にはそれしかありません。

しかし、山歩きを再開して、効果を見てみようとも思っています。

2017年11月4日

21世紀的いけ花考 第64回


 現在の生け花に多大な影響を与えた重森三玲の芸術観。それを世界(というか西洋)の芸術史に照らして考えてみましょう。重森が草月流初代家元勅使河原蒼風、小原流家元小原豊雲らと生け花の改革に取り組んでいたのは大正末から昭和の初め。重森は「生け花は芸術だ」と主張したわけですが、彼の考える芸術とは19世紀後期から20世紀初期の西洋モダニズム芸術でしょう。彼の名前自体、ミレーから拝借したものですし、抽象芸術(初期フォーマリズム)の火付け役、カンディンスキーなども彼の崇敬した芸術家であったようです。

 モダニズムとはどのような芸術運動なのでしょう?ここを理解しておくのは重要です。現在、華道の3大流派とされる池坊、草月、小原のうち戦後飛躍的に伸長した草月、小原など前衛生け花諸流派の主張は「生け花は芸術だ」でした。モダニズムの芸術だということ。そして、日本の伝統的な生け花、精神修養としての生け花を否定したわけです。

 もちろん、全面的に否定することはできませんし、曖昧な部分も多かったでしょう。もしかすると掛け声ばかりで、中身は伝統的な要素を温存させていたということだったかもしれません。また、流派によっては、重森の影響を受けはしたけれど、その思想を変容させていったという場合もあるでしょう(草月流における勅使原宏の仕事のように)。

 しかし、建前は生け花の革新だったのです。そして、それが多くの日本人を惹きつけ、戦後、前代未聞の生け花ブームを巻き起こしたのです。

 海外に生け花人口を増やすことに最も成功したのは草月でしょう。実は、草月とは言わば日本文化と西洋文化の混成。西洋化した生け花。「日本文化だと思って生け花を勉強していたら、中身はどうも(今や時代遅れとなった)モダニズムじゃないか」ということにもなりかねない。

 さて、以上を踏まえると、またもや様々な疑問が生じてきます。それらをリストアップし、整理しておかないと大変なことになりそうです。枝葉末節にこだわらず、「生け花とは何か?」「生け花はどこへ向かうべきか?」などについて、大胆に推論し、現代の生け花の可能性を過激に探っていきましょう。

 今回紹介するのは、最近の結婚式装花の一部。私は彫刻に庭園デザイン、インスタレーション、ブーケも手がけますので、こんな大層な依頼がきます。マイヤーのミューラルホールを2000本のバラで彩りました。 

 ホストすることで、収益もあり、募金もできる私たちの生け花ワークショップ。11月はMade in JapanKazari で開催です。開催希望の企業、団体、募集中です。顧客リストをお持ちのビジネスに最適のイベントです。


2017年11月2日

一日一華:レストランに


To cling to some outdated notion of artistic autonomy, individualist creative freedom,  or transgressive and free avant-garde identity, divorced from any duty or responsibility for environmental considerations, is to advocate, intentionally or not, for the status quo of neoliberal exceptionalism and its destructive ecoside.  (T. J. Demos, 2016: 265, Decolonizing Nature)

ここも最近、ちょっと感心したというか、興奮した本の一節。

環境の問題に目を向けないで、
創造の自由だとか、前衛だとか
芸術家気取ってんじゃねえよ。
そういうのは、結局、環境破壊に肩入れしているってことなんだよオ。

と、まあ、喧嘩口調で訳したくなるような部分ですね。

実は、これ、私が秘かに感じていることなのです。
口には出せませんが。
現代芸術に対して、そして、いけばなの世界に対しても。

自分の作品を通じて、静かに、そして強く
伝えていきたいことがあります。

最近、私の彫刻作品が現代彫刻展で、ある賞を受賞しました。
http://www.shoso.com.au/2017/10/contemporary-sculpture-award-for-shoso.html

嬉しかったのは、審査員による私の作品の分析が実に深かったこと。
ここまで読み取って下さるのか、と感心しました。

賞金もありがたかったですし、
外国の芸術の土俵で評価していただけたという感慨もあります。

海外で芸術家としてやっていくというのは、
力のない者にとっては常に疎外されているような気持ちになりやすいもの。
ですから、この受賞は特別でした。

それにも増して、分かってもらえた、
自分の言葉が通じたという満足感は大きいものでした。

Shoso Shimbo

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